「届出」の基本知識

建設業届出の提出窓口とは?確認方法を解説


更新日: 2025/12/03
建設業届出の提出窓口とは?確認方法を解説

この記事の要約

  • 許可区分で提出先が異なるため、まずは知事・大臣許可を確認
  • 都道府県HPや手引きを活用し、管轄の土木事務所を特定する
  • 提出方法は持参・郵送・電子申請があり、状況に合わせて選択
『蔵衛門クラウド』で情報伝達をスムーズに

建設業許可における「届出」の提出窓口はどこか

建設業の許可を受けた後に発生する決算報告や変更届出は、許可の種類によって提出先が明確に分かれています。まずは自社が「大臣許可」か「知事許可」のどちらに該当するかを確認し、大枠の提出ルートを把握しましょう。提出先を間違えると受理されないため、最初の区分けが最も重要です。

原則は許可行政庁(都道府県知事または地方整備局長)

建設業法において、届出の提出先は原則として許可を与えた行政庁となります。しかし、実際の書類受付窓口は、行政庁のトップ(知事や大臣)が直接受け取るわけではなく、権限を委任された各担当部署や出先機関が実務を担当します。

したがって、「許可上の宛名」と「実際に書類を持っていく場所」はイコールではない場合があることを理解しておく必要があります。

許可区分と実務上の提出窓口
  • 大臣許可(2つ以上の都道府県に営業所がある)
    本店所在地を管轄する地方整備局(またはその出先機関)

  • 知事許可(1つの都道府県内のみに営業所がある)
    本店所在地を管轄する都道府県庁の建設業担当課 または 土木事務所

「大臣許可」と「知事許可」による提出先の違い

自社が保有している(または申請予定の)許可区分によって、向かうべき窓口は以下のように大別されます。多くの事業者は知事許可に該当しますが、規模拡大により大臣許可へ変更する場合などは特に注意が必要です。

許可区分 定義 主な提出窓口
大臣許可 2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合 本店所在地を管轄する地方整備局
(関東地方整備局、近畿地方整備局など)
知事許可 1つの都道府県内のみに営業所を設ける場合 本店所在地を管轄する都道府県庁の建設業担当課
または地域ごとの土木事務所

[出典:国土交通省 建設業許可制度]

  • 大臣許可の場合
    国土交通省の出先機関である「地方整備局」が窓口となります。都道府県を経由して提出する場合と、直接地方整備局へ送付する場合があるため、各整備局の案内を確認してください。

  • 知事許可の場合
    都道府県知事が許可権者となりますが、実際の窓口は「県庁の建設業課」に集約されている場合もあれば、地域ごとの「土木事務所」に分散している場合もあります。

正しい提出窓口を具体的に確認する「届出」先のリサーチ方法

大枠の提出先がわかったら、次は実際に書類を持ち込む、あるいは郵送するための具体的な部署や住所を特定する必要があります。多くの建設業者が該当する「知事許可」を中心に、確実なリサーチ手順を解説します。都道府県によって運用ルールが異なるため、必ず直近の情報を確認してください。

建設業許可の手引きとPC画面で届出の提出窓口を確認する担当者

STEP1:都道府県の公式ホームページで担当部署を検索する

インターネット検索を利用して、都道府県の公式情報を探すのが最も近道です。以下の手順で検索を実行してください。

担当部署の検索手順
  • Google等の検索窓に入力するキーワード例
    「(都道府県名) 建設業課 届出」
    「(都道府県名) 土木事務所 管轄一覧」

  • 検索結果の確認
    都道府県庁の公式ドメイン(末尾が .lg.jp のサイト)のページを開く

  • 案内ページの特定
    ページ内にある「建設業許可申請・届出の窓口について」といった案内リンクを探す

これにより、最新の組織図に基づいた正確な部署名が表示されます。民間のまとめサイトではなく、必ず公式サイトを参照してください。

STEP2:「建設業許可の手引き」で詳細を確認する

各都道府県は、申請や届出のルールをまとめた「建設業許可の手引き(ガイドライン)」をPDF形式などで公開しています。ここには、窓口情報だけでなく、実務上の重要事項が網羅されています。

  • 管轄区域割の表
    どの市町村がどの事務所の担当か、詳細な割り当てが記載されています。

  • 受付時間
    昼休み(12:00〜13:00)の対応可否や、受付終了時間(16:30や17:00など)を確認します。

  • 郵送提出の条件
    郵送時の宛先や、「郵送提出用チェックシート」の同封が必要かなどを確認します。

STEP3:管轄地域(土木事務所等)の割り当てに注意する

リサーチにおける最大の注意点は、「同じ県内でも、営業所の所在地によって提出する土木事務所が異なる」という点です。県庁(本庁)へ直接持参しても、「管轄の土木事務所へ行ってください」と案内され、受理されないケースが多々あります。

管轄違いの例(A県の場合)
  • 本店が「X市」にある場合
    提出先:X土木事務所 の管理課

  • 本店が「Y市」にある場合
    提出先:Y土木事務所 の総務課

必ず「主たる営業所(本店)の所在地」を管轄する事務所を特定してください。支店(従たる営業所)がある場合でも、許可に関する届出は原則として本店管轄の窓口へ一括して行います。

窓口へ「届出」を行う3つの方法とメリット・デメリット

書類の作成が終わったら、それをどのように行政庁へ届けるかを選択します。現在は従来の持参に加え、郵送や電子申請も普及しています。それぞれの特徴を理解し、自社の業務フローに最適な方法を選びましょう。

提出方法の比較まとめ

各方法には一長一短があります。期限までの残り時間や、書類作成の習熟度に合わせて選択してください。

提出方法 メリット デメリット・注意点 おすすめのケース
窓口持参
(対面)
・その場で形式審査完了
・補正方法を直接聞ける
・安心感がある
・移動時間と待ち時間が発生
・受付時間が限定される
・担当者不在のリスク
・初めての届出
・期限ギリギリの場合
・不明点が多い場合
郵送 ・移動コストと時間の削減
・遠隔地でも対応容易
・到着確認が必要
・不備時は返送の手間
・受理まで数日かかる
・書類作成に慣れている
・期限に余裕がある
・遠方の窓口の場合
電子申請
(JCIP等)
・24時間365日提出可能
・ペーパーレス化
・履歴管理が容易
・PC環境設定が必要
・操作の習熟が必要
・GビズIDの取得が必要
・DXを推進している
・定期的な届出が多い
・PC操作が得意

各提出方法の詳細とポイント

  • 窓口への持参(対面提出)
    直接担当者の顔を見て提出する方法です。「副本」にその場で受領印をもらえるため、完了した実感が湧きやすく、最も確実な方法と言えます。記載ミスがあっても、軽微なものであればその場で訂正(捨印対応など)できる場合があります。

  • 郵送による提出
    必ず「簡易書留」「レターパックプラス」など、追跡記録が残る方法を利用します。また、控え(副本)を返送してもらうために、切手を貼付し宛名を記載した返信用封筒の同封が必須です。これを忘れると控えが手元に戻ってきません。

  • 電子申請(JCIP等)の活用
    国土交通省が運用する「建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP:ジェイシップ)」などを利用する方法です。利用には事前に「GビズID」の取得が必要です。ID発行には数週間かかる場合があるため、事前の準備が欠かせません。

建設業で「届出」が必要になる主なタイミングと種類

建設業許可を維持するためには、許可取得後も定期的な報告や変更事項の通知が義務付けられています。ここでは特に提出頻度が高く、期限管理が重要となる代表的な届出の種類とタイミングについて解説します。

主な届出の種類と提出期限

法令で定められた期限を過ぎると、始末書の提出や罰則の対象となる可能性があります。

届出名称 提出が必要な事由 法定提出期限
決算変更届
(事業年度終了届)
毎年の決算が終了したとき 決算終了後 4ヶ月以内
各種変更届 商号、所在地、資本金、
役員等の変更
事由発生後 30日以内
経営業務の管理責任者等
の変更届
管理責任者や専任技術者の交代 事由発生後 2週間以内
廃業届 建設業を廃止したとき
許可要件を欠いたとき
事由発生後 30日以内

[出典:国土交通省 建設業許可事務ガイドライン]

各届出の概要

  • 決算変更届(事業年度終了届)
    建設業許可業者が最も頻繁に行う手続きで、毎年必ず1回提出します。1年間の工事経歴や財務内容を報告するものです。税理士による確定申告(通常2〜3ヶ月後)が終わってから作成するため、実質的な作業期間は1ヶ月程度と短くなります。

  • 各種変更届(役員・営業所・商号などの変更)
    特に注意が必要なのは、「役員の就任・辞任」や「営業所の移転」です。これらは法務局での変更登記が完了した後に届出を行う必要があるため、登記期間も含めてスケジュールを組む必要があります。

  • 廃業届
    事業そのものを辞める場合だけでなく、「専任技術者が退職し、後任が見つからない」など、許可の要件を満たせなくなった場合にも提出義務が生じます。

期限を過ぎてしまった?「届出」に関するよくある不安と対処法

業務が多忙で届出を忘れてしまったり、期限を過ぎてから気付いたりすることは珍しくありません。しかし、放置すれば許可の存続に関わる重大な問題に発展します。リスクを正しく理解し、万が一の際の適切な対処法を知っておきましょう。

届出期限を過ぎてしまい管轄窓口へ電話相談をする建設業者

届出を忘れていた場合のリスク

届出義務を怠ると、以下のようなペナルティや不利益が発生する可能性があります。

  • 許可の更新ができない
    5年ごとの許可更新申請時に、過去の変更届や決算変更届が全て提出されているかチェックされます。未提出分がある場合、まとめて提出しない限り更新は受理されません。

  • 罰則(過料)
    建設業法第50条に基づき、届出を怠った場合には6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金、あるいは情状により過料などが科される規定があります。

  • 始末書の提出
    遅延理由書(始末書)の提出を行政庁から求められるケースが一般的です。

遅れてしまった場合の対応手順

万が一期限を過ぎてしまった場合でも、「気づいた時点で速やかに提出する」ことが最善の策です。

期限超過時の対応フロー
  • 1. 管轄窓口へ連絡する
    まずは担当部署へ電話し、「届出が遅れているが提出したい」旨を伝えます。

  • 2. 遅延理由書を作成する
    なぜ遅れたのか、今後どう再発防止するかを記載した書面を用意します(自治体により様式が異なります)。

  • 3. 速やかに提出する
    隠そうとせず、誠意を持って手続きを行います。数日の遅れであれば、行政指導のみで済むケースが殆どです。

自社での対応が難しい、または窓口に行く時間がない場合は、専門家である行政書士に依頼するのが確実です。プロに任せることで、迅速に手続きを完了させることができます。

建設業許可の届出に関するまとめ

本記事では、建設業許可における届出の提出窓口と、その確認方法について解説しました。

記事のポイント
  • 提出窓口は許可区分による
    知事許可なら「都道府県の担当課・土木事務所」、大臣許可なら「地方整備局」が原則です。

  • 具体的な場所は要確認
    各自治体のHPや「手引き」を確認し、本店所在地を管轄する事務所を特定する必要があります。

  • 提出方法は3種類
    「持参」「郵送」「電子申請」があり、自社の状況に合わせて選びます。

  • 期限徒過はリスク大
    更新不可や罰則のリスクがあるため、早めの確認と行動が重要です。

不明点がある場合は、独断で進めずに管轄の窓口へ電話で問い合わせるか、専門家への相談を検討してください。正確な窓口への確実な届出が、貴社の建設業許可を守ることにつながります。

よくある質問(FAQ)

Q. 届出はどこの土木事務所に出しても良いのですか?

いいえ、出せません。原則として、主たる営業所(本店)の所在地を管轄する特定の土木事務所や行政庁へ提出する必要があります。最寄りの事務所であっても管轄外であれば受理されませんので、必ず事前に管轄エリアを確認してください。

Q. 届出に手数料はかかりますか?

原則として行政庁への手数料はかかりません。許可の「更新申請」や「新規申請」には証紙代などの手数料がかかりますが、決算変更届や各種変更届自体は無料です(納税証明書などの添付書類取得の実費は別途かかります)。ただし、行政書士に依頼する場合は、その報酬が発生します。

Q. 郵送で届出をする際の注意点は?

「副本(控え)」と「返信用封筒」を忘れないでください。郵送の場合、以下のセットを同封するのが鉄則です。

  • 届出書類の正本(役所保管用)
  • 届出書類の副本(自社控え用)
  • 返信先を記入し、切手を貼った返信用封筒

これらを行わないと、受付印が押された控えが手元に戻らず、届出をした証明ができなくなります。

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