遠隔臨場とは?国土交通省の要領対応のおすすめカメラやシステムを紹介

目次

遠隔臨場の概要と目的

国土交通省は、2022年3月29日に「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)」と「建設現場の遠隔臨場に関する監督・検査実施要領(案)」を策定、ともに2022年度から実施しています。法律が整備されたことに加え、その利便性の高さから、今や国土交通省の直轄工事だけでなく民間の工事現場でも積極的に利用されるようになった「遠隔臨場」。ここでは、その概要や必要な機材などについて、わかりやすく説明します。

遠隔臨場とは、工事で必要な「段階確認」「材料確認」「立会」をリモートで遠隔地から行うことです。
また、臨場を遠隔で行う目的は、立合者が現場へ移動する時間やコストを大幅に削減して、工事の効率と生産性を向上させることにあります。

遠隔臨場に必要な機材やソフトウェア

遠隔臨場には、映像と音声の両方を使用した双方向の通信を利用します。したがって、Wi-Fiや携帯電話回線などの通信環境が必要です。なお、鮮明な映像や音声の中断などのない、安定したスムーズな通信を行うためにも、Wi-Fi通信環境の設置が望まれます。

現場側と立合者の端末

現場側の担当者は、ヘルメットや体に装着して映像と音声を送受信できる「ウェアラブルカメラ」を使用するのが一般的です。スマートフォンやタブレットのカメラと内臓マイクを使用することもできますが、遠隔臨場中にもスケールや水平器などを使える利便性、そしていわゆる「歩きスマホ」状態となり安全性を確保しにくい点からも、ウェアラブルカメラの使用が推奨されています。

  • ウェアラブルカメラ(推奨)
  • スマートフォン
  • タブレット

なお、国交省が「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)」で規定している動画撮影用カメラに関する参考数値、および発注者の標準的な通信環境の仕様は以下の通りです。

現場側で使用する動画撮影用カメラに関する参考数値

映像
画素数 640×480以上 カラー
フレームレート 15fps以上
音声
マイク モノラル(1チャンネル)以上
スピーカー モノラル(1チャンネル)以上

発注者(立合者)の標準的な通信環境

通信プロトコル方式
及びポート番号
TCP 80,443
UDP なし
利用環境 OS Windows10
ブラウザ Microsoft Edge
アプリケーション 原則インストール不可

遠隔臨場システム

遠隔臨場のシステムには、オンライン会議用のシステム(サービス)を利用するケースが少なくありません。しかし、これらはあくまで汎用サービスであり、映像と音声のリアルタイム共有という最低限のことしかできないため、遠隔臨場用としての機能性は十分とはいえません。そこで現在は、工事専用クラウドを利用するケースが増えてきています。

工事専用クラウドは、複数の工事関係者が現場や事務所、本社などそれぞれ別の場所からインターネットブラウザを介して、安全にアクセスできるよう設計されています。また、多人数が参加できるビデオチャット機能で遠隔臨場をサポート。現場から送られてくる画像や映像を保存し、工事写真台帳や報告書、人材育成のための教材として利用するといったことも容易に行えます。また、画像や映像は工事単位でクラウド上に保存されるので、情報の整理や共有も簡単。巨大な動画ファイルでPCのHDD(ハードディスク)の容量が逼迫(ひっぱく)されることもありません。

遠隔臨場のメリットとデメリット

遠隔臨場には、その目的を超えた実に多くのメリットがあります。と同時に、デメリットもないわけではありません。しかし、それらを正しく認識して対策を行うことで、課題の多くは回避あるいは最小化することができます。

遠隔臨場のメリット

  • 移動時間や待機時間を大幅に削減できる。
  • 移動時間を考慮せずに済むので、日程を柔軟に調整できる。
  • 各現場に人員を派遣する必要がないので、人手不足をカバーできる。
  • 移動コストを削減できる。
  • 密にならず非接触なので、新型コロナの感染症対策として有効。
  • 複数人での参加や動画を保存して資料にすることができ、人員の育成に役立つ。
  • 現場側が最低限の人数で済むため、安全性が高い(リスク低減)。
  • 提出書類を現場で作成しなくて済む(事務所で作成できる)。

遠隔臨場のデメリット

  • 必要な機材や通信環境への初期投資が必要
  • 機材の操作や運用への慣れが必要
  • プライバシーへの配慮が必要

デメリットへの対策

  • 必要な機材や通信環境への初期投資が必要への対策

カメラなどの機材購入費やWi-Fi通信環境の整備、また工事専用クラウドの費用などが含まれます。確かに初期投資は必要ですが、利便性を将来に渡って享受できるなら、その投資を上回る効果が得られるでしょう。自社の業務内容や今後の事業の方向性に合わせて、導入を検討することが大切です。

なお、中小企業または小規模事業者が遠隔臨場に関連する製品やサービスを導入する場合、各種補助金の受給対象になることがあります。補助金をご利用になりたい場合は、『蔵衛門補助金相談窓口』よりお問い合わせください。

『蔵衛門補助金相談窓口』:https://www.kuraemon.com/special/hojokin/
  • 機材の操作や運用への慣れが必要への対策

遠隔臨場はカメラやスマホ、PCなどの情報機器や通信に関する機能や環境を使用するため、操作に慣れる機会と時間が必要です。しかも、この期間は通常より生産性が低下することも考えられます。この対策として「設定や操作が簡単で、誰でも使える機器」や「使用する機器と相性の良い工事専用クラウド」、「ユーザーサポートの体制が確立されているメーカー」を選ぶことで、リスクやデメリットを最低限に抑えることができます。

  • プライバシーへの配慮が必要への対策

遠隔臨場の際に映り込んでしまう人物や風景についての配慮です。念のため、関係する人物や環境に対して、事前に許可や同意を取っておくとトラブルを回避することができるでしょう。

おすすめのカメラや遠隔臨場システムは?

工事写真を中心とした施工管理で長い歴史を持つ「蔵衛門」シリーズのウェアラブルカメラ「蔵衛門Cam」(くらえもんカム)がおすすめ。工事現場に最適な防塵、防水、耐衝撃ボディを持ち、クリップで作業着に装着、手元を映しながらビデオ配信や通話が可能です。

遠隔臨場を実施する際に『蔵衛門プレミアム』メンバーであれば、追加料金は不要のため、発注者も招待しやすいです。本体価格は業界最安値水準(※1)の99,800円(税込 109,780円)、本体とクラウドの料金も含め、135,800円(税込 149,380円)から始められるため、費用面からも導入障壁を下げています。

さらに、発注者などの立合者は『蔵衛門Cam』からの映像と「遠隔臨場」をしている自身の顔映像をパソコン側からキャプチャーし、『蔵衛門クラウド』に自動保存。立会写真として使用できます。同じ現場で他の端末で撮影した検査写真も自動で『蔵衛門クラウド』に保存されるので、『蔵衛門クラウド』上で検査写真・立会写真を一元管理できるのもメリットです。

遠隔臨場システム 遠隔臨場対応ウェアラブルカメラ

遠隔臨場対応のウェアラブルカメラ。防塵、防水、耐衝撃ボディで、クリップで作業着に装着可能。手元を映しながらビデオ通話ができる現場用カメラ。

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