今さら聞けない! 建設業のフルハーネス義務化

目次

「フルハーネスの着用義務化」とは?

「フルハーネスの着用義務化」はいつから?

労働安全衛生法が改正され、2022年1月2日に施行されました。これにより、それまで多く使用されていた「胴ベルト型安全帯」が一部使用不可となり、これに変わる形で新規格の「フルハーネス型墜落制止用器具」(以後「フルハーネス」)の着用が義務化されました。つまり、フルハーネスの着用義務はすでに始まっているのです。

「フルハーネスの着用義務」の3つのポイント

  • 器具の名称を「安全帯」から「墜落制止用器具」に変更
    『「墜落制止用器具」への名称変更(安衛令第13条)』
  • 墜落制止用器具は原則として「フルハーネス」を使用
    『墜落による危険の防止(安衛則第130条の5等)』
  • 業務内容により「安全衛生特別教育」の受講が必要
    『特別教育(安衛則第36条、特別教育規程第24条)』

まず、「安全帯」の呼称が「墜落制止用器具」に改められました。
また、高さ2m以上の作業で使用できるのは「フルハーネス型」の墜落制止用器具のみです。ただし、フルハーネスでは墜落時に地面に衝突するおそれがある場合(高さが6.75m以下)は「胴ベルト型(一本つり)」の使用が許可されています。
なお「胴ベルト型(U字つり)」は墜落を制止する機能がないことから、使用できなくなりました(フルハーネスと併用すれば使用可)。
さらに、フルハーネスを装着して高所作業を行う者は、特別教育(学科と実技)の受講が義務付けられました。

※出典:厚生労働省(「安全帯が「墜落制止用器具」に変わります!」より)

フルハーネスの選び方

使用する器具(フルハーネス)は、「墜落制止用器具の規格」(平成31年厚生労働省告示第11号)とガイドラインにより規定されています。

墜落制止用器具の選定要件

  • 新規格に適合したフルハーネスを選ぶ。
  • 着用者の体重と装備品の重量の合計に耐えるもの(85kg用又は100kg用。特注品を除く)を選ぶ。

新規格に対応したフルハーネスを使用します。「墜落制止用器具」適合品などの表示があるものは新規格、「安全帯」とあるものは旧規格品です。重量に対する耐久性能も重要。たとえば作業者の体重が80kgでも、装備品を合わせると85kgを超える場合、85kg用のものを使用してはいけません。

なお、墜落制止用器具の点検・保守及び保管は、責任者を定めるなどして確実に行い、管理台帳などに点検結果や管理上必要な事項の記録が求められています。一度でも落下したものや落下相当の衝撃を受けたもの、点検時に異常があったもの、摩耗・傷等の劣化が激しいものは絶対に使用しないようにしましょう。「まだ大丈夫だろう」という認識の甘さは、大きな事故につながりかねません。

特別教育とは

高さ2m以上かつ作業床を設けることが困難な場所でフルハーネスを使用する作業者は、フルハーネスの特別教育を受けなければならなくなりました。
なお、特別教育の講習は、各都道府県の労働局やその登録業者が行っています。まずお近くの労働局のWebサイトを確認して、問い合わせてみると良いでしょう。

特別教育の内容と講習の時間

  • 学科
    • 作業に関する知識 (1時間)
    • 墜落制止用器具(※)に関する知識(2時間)
    • 労働災害の防止に関する知識 (1時間)
    • 関係法令 (0.5時間)
  • 実技
    • 墜落制止用器具(※)の使用方法等(1.5時間)
※フルハーネス型のものに限る

受講が必要な作業の例

なお、受講が必要な具体的な作業の例としては、以下のようなものが考えられます。

  • 建築鉄骨・鉄塔の組立、解体または変更作業
  • 柱上作業(電気・通信柱等)
  • 急こう配の屋根上での作業(こう配40度以上)
  • 梁上・母屋上・桁上・垂木上での作業
  • 作業床を設けることができない一側足場(抱き足場)上での作業、組立解体
  • 送電線架線工事
  • 立坑内での土止め支保工の取付け取外し
  • 作業構内の組立解体
  • チェア型ゴンドラで行う作業 など

受講を省略できる条件

ただし、以下の条件に当てはまる場合は受講の一部を省略(受講を免除)できます(条件により、省略できる受講内容は異なります)。

  • 適用日時点で、(高さが2m以上かつ作業床を設けることが困難な場所で)フルハーネス型を用いて行う作業に6月以上従事した経験がある者
  • (高さが2m以上かつ作業床を設けることが困難な場所で)胴ベルト型を用いて行う作業に6月以上従事した経験がある者
  • ロープ高所作業特別教育受講者または足場の組立て等特別教育受講者

また、法令適用日(2019(平成31)年2月1日)より前に、改正省令による特別教育の科目の全部又は一部について受講した者は、その際に受講した科目を適用日以降に再度受講する必要はありません。

フルハーネス着用義務に対応しないとどうなる?罰則は?

このように、高さ6.75mを超える場所で

  • 新しい規格に対応したフルハーネスを着用しない
  • 必要な特別教育を受けていない

ことは法令違反となり、事業者に6か月以上の懲役、または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

現場での安全性をさらに高めるために

厚生労働省の発表によると、令和3年の「建設業における死傷災害数、そのうち墜落・転落災害による死傷災害数」は4,869件。「フルハーネス義務化」の背景には、このような事故を減らす狙いがあります。
事業者は、フルハーネスの着用義務はもちろん、さらなるアイディアで作業者の安全を守り、安心して作業を行える環境を構築していくことが大切です。

現場での安全性を更に高めるアイディア

工事写真の撮影も高所や不安定な足場での作業も多く、危険が伴う業務です。加えて複数の木製の工事黒板やホワイトボード、大量の図面などを持っての移動も多く、不安定な姿勢や体力の消耗も事故の発生と無関係とはいえません。誤って荷物を落下させてしまう危険性もあります。
これらの対策として有効なのが「電子小黒板を使用した工事写真撮影」です。

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電子小黒板に対応した工事写真用端末の中で、おすすめなのは『蔵衛門Pad』シリーズの特別モデル『蔵衛門Pad Mini Tough[ミニタフ] 』です。

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そのほかにも、以下の性能や特長を備えています。

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