国交省4年連続で4割超
「施工者希望型」が9割 国土交通省が直轄工事に新技術を活用する割合が、2013年度から4年連続で40%を超えたことが分かった。16年度の活用延べ新技術数は過去最多の1万8748件となったほか、活用工事で使用された新技術数も3.64技術と右肩上がりで増加している。受発注者ともに、公共工事における新技術活用の浸透具合がうかがえる結果となり、同省では引き続き、活用促進に取り組んでいくとしている。
7日に公表した公共工事等における新技術情報提供システム(NETIS)の活用実績で明らかになった、16年度の新技術が活用された工事の割合は44.3%。分母となる直轄工事の発注件数(1万1654件)のうち、5157件の工事で新技術が活用されたことになる。同一技術の重複を含まない活用新技術数は1708技術だった。
工種別にみると、活用された新技術(1万8748件)のうち、最も新技術が活用されたのはコンクリート工(3894件)だった。次いで、仮設工(3711件)、土工(2167件)、共通工(1651件)、道路維持修繕工(1483件)の順に多く活用された。
直轄工事における新技術の活用に関する発注方式は「施工者希望型」「発注者指定型」「試行申請型」「フィールド提供型」「テーマ設定型(技術公募)」の5つがあるが、そのうち全体の9割超を占めるのが「施工者希望型」だ。
「蔵衛門Pad」は2017年1月にNETISに登録。従来は木製黒板とカメラにより工事写真の撮影が行われていましたが、「蔵衛門Pad」により、撮影情報の入力、その情報を基にした電子小黒板入り工事写真の撮影、撮影した工事写真台帳の自動作成を一貫して行うことが可能となりました。このため、黒板の記入から工事写真撮影・整理にかかる時間は従来の約1/4(※1)に短縮され、省人化を実現した点が評価されています。既に、北野建設などで導入され、全国約10,000現場で利用されています。
※1 当社調べ
技術名称 | 蔵衛門Pad |
---|---|
登録No. | KTK-160024-A |
従来技術 | 新技術 | |
---|---|---|
経済性 | 179,544円/月 | 47,629.4円/月 |
工程 | 7.5日/月 | 1.88日/月 |
品質 | 撮影条件により視認性に影響、改竄のリスクあり | 電子小黒板による視認性の向上、信憑性の向上 |
安全性 | 高所等危険を伴う箇所における撮影時においても、 木製小黒板を設置する必要がある | 高所等危険を伴う箇所における撮影時においても、 木製小黒板を設置する必要がない |
施工性 | 自然条件及び作業条件の影響を受けやすいため、 悪条件の中では撮影不可能 | タブレット端末は防水防塵機能があり、自然条件及び 作業環境の影響を受けにくいため、悪条件の中でも撮影可能 |