上水道工事を中心とした公共事業を担う株式会社東邦建設工業。同社が取り組んだのは、現場の業務負担軽減と若手人材の採用・定着を目的とした“働き方改革”だった。
以前の同社における写真管理のプロセスは、デジカメで撮影 → PCに取り込み → 整理・編集 → 書類化という流れだった。写真管理のためには、現場終了後に事務所へ戻ってPC作業をする必要があり、残業することが常態化していた。
坂田氏「現場監督はほぼ残業をしていましたね。業務内容の指示や現場の修正依頼をするにも、出力した図面や写真に手描きで指示を書き込んで、それを現場に持参して説明していました。多くの手間と時間がかかっていました」
残業しない
環境づくりで
新卒採用者が定着
DXツールが社内に
100% 浸透!
株式会社東邦建設工業

DX化の推進が働き方と採用力を変えた
東京都八王子市を拠点に上水道工事を手がける株式会社東邦建設工業。同社が注力するのは、若手人材の採用と定着に向けた“働き方改革”だ。そこで同社は、現場写真の管理業務の改善と会社全体での情報共有を目的に、『蔵衛門Pad』と『蔵衛門Pocket』を導入。蔵衛門を中心とする社内環境のDX化が業務効率を飛躍的に高め、新卒で入社した従業員の定着率100%という成果につながっている。
株式会社東邦建設工業
- 事業内容:
- 総合建設業
- 設 立:
- 1997年8月
- 従業員数:
- 35人
- ウェブサイト:
- https://toho-const.com/
- 課題
- ・若手人材の採用を見据え、労働環境の改善および企業イメージの醸成
- ・写真管理業務に伴う煩雑な作業の効率化
- 対策
- ・『蔵衛門Pad』の導入による蔵衛門クラウドの活用
- ・会社支給の携帯電話を『蔵衛門Pocket』へと切り替え
- 効果
- ・新卒採用者の定着率が100%
- ・1日の労働時間が2時間ほど短縮し、残業が大幅に削減
- ・社内のDX化を大きく推進

課題写真整理に時間を費やし、残業が常態化
若手採用を見据え、働き方そのものを変えたかった


社内のDX化を推進する営業部の大崎匡朗氏は、採用面から見ても業務の効率化は重要だと語る。
大崎氏「業務を効率化し、快適な労働環境を構築できるか。これは、業績向上のためだけでなく、若手人材の採用に直接影響します。売上が上がっていても、採用がうまくいかないと会社は成り立ちません。働き方改革を推進することが、企業の将来を大きく左右します」
社内のDX化を進め、業務効率と快適な労働環境の両立を図ることが、同社の成長に向けた大きな課題となっていた。

対策情報共有・写真整理・指示はスマホ1台で完結
全員が同じツールを使うから、社内で“自然と”広まる
改善の第一歩として試験的に導入されたのが『蔵衛門Pad』だった。『蔵衛門』であれば撮影した写真がリアルタイムで『蔵衛門クラウド』にアップロードされ、自動で仕分けされる。まずは2~3の現場に絞り、DXツールに明るい担当者に『蔵衛門Pad』を提供し、運用を試行した。
坂田氏「現場で撮影さえすれば、そのまま台帳作成の素材になります。これまでは“帰ってからが本番”だったのが、“その場で終わる”仕事になりました」

同社では『蔵衛門Pad』導入によるDX化の効果を実感し、『蔵衛門Pocket』の全社員への支給を行った。
大崎氏 「社内の情報共有のために、LINE WORKSを導入したかったのです。そのためにはスマホが必要になります。そこで、スマホとしても活用できる『蔵衛門Pocket』を会社支給の社用携帯とすることにしました」
坂田氏 「若い世代にしてみると、デジカメやタブレットよりも断然使いやすく、ポケットに入るサイズの端末なら、現場でも常に携帯できます。撮影も片手でパッとできますし、写真をわざわざ送信する必要もありません。情報共有・現場記録・社内連絡など、すべてが1台で完結するようになりました」

システム導入を担当した営業部の中野氏は、同じツールを全員で使うことのメリットを語る。
中野氏 「同じツールをみんなで使っているので、得意なひとが便利な機能を見つけると、お互いに教えあえるし、すぐ試せるんです。特に、みんなが集まる安全講習会のあとは、若手からベテラン社員まで操作方法を教え合い、便利な使い方が自然に広まっていきました。マニュアルがなくても実際に使いながら覚えられるため、浸透するスピードも非常に早かったと感じています」
試験運用を始めたタイミングは公共工事の真っ只中だったが、すぐに使いこなせる操作性と写真整理の効率化が評価され、スムーズな本格導入へとつながった。

効果新卒採用者の定着率100%、残業大幅削減
DXが「採用力」そのものを押し上げた

『蔵衛門Pocket』の導入により、現場の写真がリアルタイムでクラウドにアップされるため、現場監督は離れたところにいても現場をチェックすることが可能になった。
坂田氏「アップされた写真を時系列で見ていけば現場の進捗が分かります。必要があれば、その場で的確に指示も出せます。遠隔地にいても“見ている”感覚でサポートできます」

労働時間は1日あたり2時間程度短縮し、残業は大幅に削減した。
大崎氏「新卒を対象とした会社説明会では、DXによる効率化について『蔵衛門Pocket』を持ち込んで説明しています。生徒たちにとっても、こういったデバイスには馴染みがあるため、興味を持って話を聞いている様子でした。実際、採用はここ数年順調に進んでおり、新卒採用者の定着率は100%です」
また、蔵衛門を活用することで“多様な働き方の実現”にも取り組んでいる。
大崎氏「写真の整理だけであれば在宅でも可能で、子育て中の方でも十分に対応できる業務です。人材確保は今後さらに難しくなっていくことが予想されるので、採用枠の可能性を広げて、人材確保に取り組んでいきたいと考えています」
同社のDX化は、ただの業務効率化ではない。それは、現場の作業を楽にし、若手の不安を減らし、「ここで働きたい」と思わせる環境をつくるための取り組みだ。
坂田氏「蔵衛門がなければ、うちの改革は成り立たなかったと思います。『スマホ1台で働ける』『残業がない』『有給が取りやすい』といった要素が、すべてがつながっているのです。蔵衛門を中心に、DX化をさらに加速させていきたいですね」
「DX」という言葉に抵抗を感じる会社も少なくない中、東邦建設工業のように“まずは現場からスマートにする”というアプローチは、業界全体への大きなヒントとなりそうだ。
ここが坂田課長のお気に入りポイント
坂田課長のお気に入りの機能は、写真のマークアップ機能だ。写真や図面に文字や記号を配置したり、手書きで図形や文字を書き込んだりできる。
坂田氏「以前は、紙に書いた指示書が現場と事務所を行き来していましたが、いまでは1枚の写真をスマホ(蔵衛門Pocket)でやり取りするだけです。例えば、水道管の埋設位置など見えない部分をマークアップで図示すれば、他現場や協力業者への説明が簡単です」
発注者に提出する安全教育の実施報告にもマークアップを活用。安全教育の様子を撮影し、参加者のナンバーをスタンプして参加人数を可視化。報告書を見た発注者が確認しやすいように工夫しているという。こういった細やかな気配りが、同社の強みである「発注者からの信頼」に繋がっている。

システム導入構成
・今回の事例に登場した現場は以下の製品を使用しております。
- 坂田健二さん
- 役割:現場管理
- 蔵衛門プレミアム
- 蔵衛門クラウド
- 蔵衛門御用達DX
蔵衛門Pocket
蔵衛門Pad Mini Tough
- 霜村悠さん
- 役割:現場管理
- 蔵衛門プレミアム
- 蔵衛門クラウド
- 蔵衛門御用達DX
蔵衛門Pocket
- 浅川悟さん
- 役割:現場管理
- 蔵衛門プレミアム
- 蔵衛門クラウド
- 蔵衛門御用達DX
蔵衛門Pocket
- 大崎匡朗さん
- 役割:総務・営業
- 蔵衛門プレミアム
- 蔵衛門クラウド
蔵衛門Pocket
- 中野妃海さん
- 役割:営業
- 蔵衛門プレミアム
- 蔵衛門クラウド
蔵衛門Pocket
事例で登場した製品は
こちら!


『蔵衛門カメラ』アプリ搭載スマートフォンの第3世代。電子小黒板の撮影に限らず電話・メールや他の業務アプリなど、1台でマルチに使える現場用端末。