クラウドも電子小黒板も使える!




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『ルクレ☆オンライン』を開く株式会社冨士土木は、舗装工事を主体に、東京都内を中心とした上下水道、港湾、橋梁、運動場などの一般土木工事を手掛ける総合土木建設企業だ。同社では社内に「DXチーム」を結成。現場の負担が大きかった工事写真業務を大きく効率化した。そこで選ばれたのは「蔵衛門」だ。
株式会社冨士土木
かつて株式会社冨士土木では、木製の黒板を用意してデジカメで撮影、台帳化していた。その作業は、すべて各現場監督が担当。しかも、撮影枚数が軽く1万枚を超える現場も少なくない。複数の木製黒板を持ち運んでの撮影は大変な重労働なうえ、手が汚れるのもストレスだった。
写真の枚数が多いため、手ブレやピンボケをはじめ、黒板の文字が太陽の光や(夜間工事の)フラッシュに反射して読みにくいなど、撮影ミスも起こる。黒板をどこに置けばきれいに撮れるか、といった試行錯誤にも時間を要した。
撮影後の写真整理や台帳作成にも手間がかかる。黒板の内容の文字入力や写真の順番を入れ替えるなど細かな作業が多いからだ。チョークやマジックで書いた文字が見づらい場合、撮影者(黒板の文字を書いた本人)が文字を入力せざるを得ない。
しかし、各現場の監督の負担軽減には、業務を分担する「分業」しかない。そのために不可欠なのは「どんな状況でも黒板の文字が美しく、しっかりと読み取れること」。そして「ネットワーク(クラウド)連携による写真の共有」だ。
これらを実現するため、冨士土木は社内に「DXチーム」を発足させた。リーダーに抜擢されたのは、新卒で入社して4年目の中村朱里氏。府中市の本社に勤務する。そして、工事写真のシステムとして「蔵衛門シリーズ」が導入された。木製黒板は「電子小黒板」になったのだ。
中村氏「社内DXチームと聞くと、やや大げさに聞こえますが、まずは台帳作成だけでも引き受けられればと始めました。すると、これが思ったよりスムーズにできたので、黒板もすべて作成することにしたのです。
黒板作成には『蔵衛門一括黒板』アプリを使用しています。黒板に記述する内容は『蔵衛門御用達』に登録されている電子納品要領の情報をクリックして選ぶだけなので簡単ですね。なお、選ぶ項目は社内の書類を参考にしました」
作成した黒板は『蔵衛門クラウド』を通じて、各現場監督の工事写真撮影端末『蔵衛門Pix』に届く。現場監督は、この中から必要な黒板を選んで撮影するだけ。『蔵衛門Pix』で撮影された電子小黒板入り工事写真は、自動的に『蔵衛門クラウド』に保存される。こうして、重い木製黒板を何枚も持ち運んだり、書き直したりする現場の作業は不要になった。
一方、撮影された写真は黒板情報のデータをもとにクラウド上で自動整理され、DXチームに共有される。あとは工事ごとに必要な写真を選び、ボタンひとつ押す(クリックする)だけ。たったこれだけで、中村氏は本社にいながらにして、各現場の工事写真台帳を作成できる。
DXチームと蔵衛門は高く評価された。今では担当する現場も増え、社内には「工事写真チーム」が設立された。もちろん、その中心は中村氏だ。 担当する現場の数も、さらに増えた。現在では、冨士土木が関わる全ての現場の工事写真業務を支援しているというから驚きだ。
「黒板、台帳作成ともに、直感的な操作でサクサク進められるのですぐに慣れました」と中村氏。パートの事務スタッフの方々が困ったときも、そのつど中村氏に声をかけてもらう運用で充分回っているという。
写真業務は、現場監督の負担が大きいもの。そんな先入観をDXでみごと打ち破った冨士土木。黒板と台帳を工事写真チームに任せることで、場監督は撮影に集中できるようになった。それは現場監督の残業を1/3削減するほどの効果があったという。加えて、現場監督が工事写真以外の業務に割ける時間が増えたことも大きな成果だ。このおかげで、今までは翌日に回さざるを得なかった「出来形確認」や「報告書の作成」も、その日のうちに行えるようになったという。また、現場全体を俯瞰する時間を多くとれるようになったとの声もあった。工事の進捗把握はもちろん安全面においても、その意義は大きい。
中村氏はチームが作成した台帳を提出前に必ず現場に確認を依頼している。その際に手戻りがなく「”ばっちりだね!”と喜んでもらえるのが最高のモチベーション」と語る。現場監督からも頼りにされ、”急遽写真が必要になった”など依頼が増えても、即対応ができているという。
・今回事例に登場した現場は以下の製品を使用しております。