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『ルクレ☆オンライン』を開く関東を中心に、オフィスやマンションから医療施設、戸建て住宅まで幅広く手がける田中土建工業株式会社。同社は、深刻な課題となっている工事写真業務の省力化に向けて、20台もの蔵衛門Padを一気に導入。工事部主任の小茅生(こがよう)進治氏は「本格的な運用はまだこれから」としつつも、すでに手応えを感じているという。
「蔵衛門Padは導入したばかりで、まだ試験運用の段階なんです」と小茅生氏。事実、取材で訪れた足立区の3階建て高度医療施設では、従来の木製黒板を使用した写真撮影と蔵衛門Padでの撮影が半々で行われているという。
(※取材当時)
小茅生氏「20台の蔵衛門Pad は、東京本社、藤沢支店、さいたま支店の管轄する現場に配布されます。(足立区の)この現場には先行して1台が割り当てられているのですが、複数の工事作業が同時進行なので、本当は2台以上必要なんです。それで、やむを得ず木製黒板も補助的に使っています」
従来の黒板と併用せざるを得ないことで、それぞれの良さも再認識できる部分もあるという。
小茅生氏「たとえば晴天の屋外、特に遮蔽物のない屋上などでは、デジタル機器は画面が見にくいのが難点です。もっともこれは、他のタブレットやスマホ、デジカメなどもそうですが」
蔵衛門Padを実際に操作する機会が多い、若手現場監督の春山貴誉氏も次のように述べる。
春山氏「現場でとっさに黒板を作成しなくてはならないことが稀にあります。こんなときも、作成だけを考えれば木製黒板の方が早いですね」
とはいうものの、総合的に考えれば、やはり蔵衛門Padの便利さは圧倒的とのこと。
春山氏「蔵衛門Padでは、朝、その日に使用する電子小黒板をすべて作っておけます。しかも、似た内容の黒板は複製して一部を書き換えればいい。たとえば「A」の黒板から「A’」の黒板が簡単に作れます。また、現場では黒板を画面で選んで撮るだけなので、撮影にかかる時間も従来の半分くらいになりました。慣れてくれば、もっと効率化できるでしょう」
小茅生氏「黒板を何枚も持ち歩かなくて済むのもいい。持ち歩くものが多いと、どうしても忘れものや置き忘れをしやすくなります。たった一枚の黒板を事務所に取りに行くために足場を上り下りするのは、時間も体力も勿体ないので」
蔵衛門Padは、工事写真の撮影のみならず、台帳作成の効率化にも大きく貢献しているという。
春山氏「導入効果をより実感できるのは、台帳作成時です。蔵衛門PadをUSBケーブルでPCに繋ぐだけで、電子小黒板の内容が台帳にも自動転記されるのは、とにかく便利。文字を手で入力するのは、黒板に書ききれなかった補足説明程度なので、台帳を早めに上長へ提出できるようになりました」
小茅生氏「そのメリットは、我々管理者にとっても大きい。台帳を早く受け取れれば、チェックするための時間を長く取れます。つまり、ワークフローに余裕ができ、撮影漏れや記入ミスなどをより防げるのです」
今回の足立区の現場に続き、他の現場にも蔵衛門Padが順次割り当てられ始めている。これに伴い、小茅生氏や春山氏のもとに、後発の現場から質問が寄せられるようになってきた。
春山氏「一番多いのは、とりあえず写真だけ撮影しておいて、後から電子小黒板を合成できないか、という相談です。電子小黒板を作り忘れてしまった場合や、イレギュラーの撮影が生じた場合、とりあえず写真だけは撮っておき、後から電子小黒板を合成したい、と。現場に携わる者として、気持ちはすごく良く分かる。でも、写真やデータの改ざん防止の観点から、それはできないんですよ、と答えています。改ざんできない仕組みがあるからこそデータに信用があるわけで、これはやはり大切なことだと思います」
「実は、この現場が終わったら、一度みんなで蔵衛門Padの勉強会をやろうと思っているんです」と小茅生氏はいう。試験運用で得られたノウハウを後発の現場と共有して、短時間で各現場のスキルを向上させる目論みだ。多くの台数を一気に導入した狙いは、ここにもあった。
小茅生氏「みんながそれぞれ手探りで始めるのは、非効率ですから。それに経験上、こういう道具を使い始めて悩む部分って、皆同じポイントだったりするんです。だから、使う者どうしでノウハウを共有するのが一番早い」
そのほかにも「インターネットには繋がるのか」「メールやWebブラウザ、一般的なアプリは使えるのか」「蔵衛門御用達を持っていない発注者に台帳を(画面で)見せたい」などの質問・要望が多いという。
ちなみに、これらの回答としては「インターネットには接続できるが、主にシステムの更新や専用サーバーから電子小黒板のテンプレートをダウンロードするため」であり、「メールやWebブラウジングはできない」。また、蔵衛門Padは工事写真専用タブレット端末なので「一般的なアプリはインストールできない」。これらはセキュリティ対策と、万が一本来の機能や性能に不具合が発生した場合、その原因究明が困難になるためだ。
そして、蔵衛門御用達の台帳は「ビューワ出力」することで、蔵衛門御用達がインストールされていないPC(Windows 7以上)でも閲覧できる。
なお、ある程度の参加者数が集まれば、ルクレでも購入後のアフターフォローとして導入企業での出張講習会を実施している。こういった制度も積極的に利用することで、より効率の良いスキルアップを図れるだろう。
工事写真業務の省力化という課題を前に、明確な戦略と積極的な攻めの姿勢で臨む、田中土建工業株式会社。「ただ悩んでいるだけでは、問題は解決しない。良さそうなものは、まず使ってみよう、そう思って蔵衛門Padを導入しました。あとは、とにかく使って慣れること。どんな道具も、使いこなさなければ本当の良さはわかりませんから」と、小茅生氏は語る。その眼差しからは、大きな期待と強い決意が感じられた。
20台の蔵衛門Padが本格的にフル稼働する日も、そう遠くはないはずだ。
小茅生氏曰く「蔵衛門Padは、専用ケースが最初から付属していて、買ってからすぐ使えるのがいいですね」とのこと。
「どんなに丁寧に使おうと心がけても、現場ではいつの間にか汚したりぶつけたりするので、本体を保護するケースは必須です。これが別売りの場合、本体に合うケースを探すのは意外と大変。しかも、今回のように20台分ともなると、数が揃わない可能性もある。専用ケースが付属するかどうかは、導入時にもチェックしました」
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