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『ルクレ☆オンライン』を開く「防水性と堅牢性、図面のPDFが見やすい画面の大きさなど、蔵衛門Padを選んだ理由は数ありますが、やはり普段から慣れ親しんでいる『蔵衛門御用達』と連携できることが大きかったですね」
総務課で電子小黒板の導入をサポートする矢野氏は、そう語る。
矢野氏「工事写真の一連の作業が、現場で使い慣れた蔵衛門御用達で完結する。それは、やはり安心感があります。新たな工事写真ソフトを導入したり、使い方をゼロから覚えてもらうのは大変ですから」
ただ、「こういったIT機器は、使う人によって使いこなしに”差”が出てしまう」とも。
矢野氏「そこで、各現場に直接赴いて、使う人のITスキルに合った使い方を提案しています。たとえば、若手の所長や現場監督は、”配筋の豆図と数値をエクセルで一括登録する”といったテクニカルな使い方を説明しても、すぐに吸収してくれる。でも、年配の方にはちょっと難しい。そんなときは、黒板は全部こちらで作ってあげる。すると、その後は自分で撮って、蔵衛門御用達に読み込んで、印刷までできるんです。
年配の方の中には、導入前は”そんなものは使えない”と公言する”アンチ電子小黒板”派だった人もいます。ところが、いざ使ってみたら”いやぁ、これは残業がなくなるよ”って(笑)。”工事写真の日はいつも2時間残業していたのに、なくなった。本当に良かった”と喜んでいました」
IT機器は導入後のケアが大切、と矢野氏は言う。
矢野氏「導入しっぱなし、というわけにはいかないですね。とにかく”使ってもらうにはどうしたらいいか”を考えました。マニュアルについても、蔵衛門Padに付属する『ファーストガイド』までの内容は要らないな、と。もっと単純に、起動して黒板が作れて、写真が撮れるまでの使い方がわかればいい」
そんな矢野氏は、なんと、最低限必要な操作のみをまとめた最短マニュアルを独自に作成。現場に配布したというから驚きだ。
矢野氏「これを見て分からない人は、私に直接聞いてくださいと伝えました。探究心がある人はファーストガイドを見て試すでしょうし、仮に難しい質問をされてもルクレさんに聞けばいいので、不安はないですね」
そのルクレの対応も社内で高く評価され、これが蔵衛門Padの導入を後押しした部分もあったという。また、導入後に内野建設社内で行ったルクレスタッフによる出張講習会には、募集人数の1.2倍もの人数が参加。中には、導入部署である建築部以外の社員の姿も見られた。
矢野氏「参加者は、現場目線であれこれ要望を言います。にも関わらず、ルクレさんはそれにきちんと応じてくれました。しかもレスポンスがいいので、若手の現場監督にも受けがいい。蔵衛門Padは図面のPDFの上に線が描けるんですが、その線の色と太さが選べるようになったのは、ウチの講習会で出た要望に応えていただいたものなんです」
建築では、ひとつの現場で数億単位のお金が動く。そう考えると、蔵衛門Padは決して高いものではないと、矢野氏は言う。それより、すでに決められた工期(時間)の中で何ができるかが問題なのだ、とも。
矢野氏「工期の中でQCDS(Quality・Cost・Delivery・Safe)を管理して、初めて現場監督といえます。つまり、刻々と動いていく現場の段取り、職人さんの手配、指示を的確に行う。それが一番大切な仕事です。工事写真業務は、はっきり言って雑務でしかない。その雑務に時間をかけずに済めば済むほど、本来の仕事に注力でき、その結果、現場監督として成長できるわけです。当然、工事自体の品質も上がります。つまり、限られた時間の中でいかに時間的余裕を持てるかが、品質と密接に紐付いているんですね。
だからこそ、蔵衛門Padのようなツールが必要なんです。従来の黒板を持って移動して、置いて、書き換えて……と、この作業がないだけでも、ひとつの現場で何十分、何時間もの余裕が生まれる。しかも、写真の品質も上がります。これだけでも十分な導入効果があると思います」
確かに、工事写真業務は若手現場監督の仕事になりがちだ。時間も手間もかかり、過剰に注力してしまう。
矢野氏「若手には、雑務を雑務と捉えられるようになって欲しい。蔵衛門Padは、早い段階で思考のフェーズ転換をしてもらうためのツールでもあるんです」
内野建設が蔵衛門Padの導入を開始して、およそ一年が経過した。内野建設では、今後、蔵衛門Padがすべての現場に行き渡るよう、導入台数を増やしていく予定だ。
なお、同社では現場の工事が終了するごとに蔵衛門Padを回収、メンテナンスをして次の現場に渡しているが、記事執筆時点の全台数(17台)のうち、故障したものは今まで一台もないとのこと。
矢野氏「保険もかけているのですが、もう解約してもいいかなと思うほどです。蔵衛門Padがタフネス設計というのもありますが、落としたりぶつけたりしやすい工事現場で、みんな大切に使ってくれていると思うと嬉しいし、有り難いですね。
どうせ会社の備品だ、などと考えず、これを使って仕事をしている以上、しっかりやろう、と思っているから壊さないのだと思います」
それは、工事に携わる道具として認めていただけた証拠と考えていいのだろうか。だとすれば、メーカーとしても非常に嬉しいことであり、この上なく光栄なことだ。
矢野氏「蔵衛門Padのお気に入りといえば、なんといっても『黒板透過機能』。これをデモしてみせると、みんな驚きます。工事箇所も黒板も両方が主役となる工事写真ですが、実際に撮影すると、黒板が邪魔で、撮るべき場所が写らないことが結構あるんです。私が作成したマニュアルにも、もちろん載っています(笑)。
とある現場の所長もこれが大変お気に入りで、すべての工事写真を黒板透過率50〜60%で撮るほどです。黒板で何か隠しているんじゃないの? という疑惑もなくなるし、デジタルならではの大変良い機能ですね」